イエティと動物園
こんにちは。
イエティ探索家のye_tiです。
また遊牧民のお父さんの付き添いで、今日は動物園に行きました、
遊牧民は動物のすぐ近くで生活しているけれど、動物を落ち着いてゆっくり見るような機会はないため、動物園に連れて行くとだいたい喜ばれます。
成都の動物園の来園者にはチベット人が異常に多くて、とくに蛇コーナーでひいひい言っている姿をよく見かけます。だけど今日は蛇コーナーは工事中でした。遊牧民のお父さんは「開いてなくて良かった」と言っていました。
お父さんが印象深かったのは、キリンやゾウ、カバなどの大型の動物たちだそうです。テレビでは見たことあっても、こんなに大きな動物が実在するはずがない、架空の生き物だ、と思っていたようです。
それと、シマウマはかわいいから飼いたいと言っていました。
イエティについても聞いて、僕の見解もちょっと書きます。
登山家の傍らイエティ研究をしている人では、最終的に「イエティはヒグマである」と、見つけられなかったことを濁しつつ結論に至ったような終わり方をしているものが多いようです。
しかし、責任持って家畜を守らないといけない遊牧民が、ヒグマとイエティを見分けられないと、それは文字通り死活問題です。
お父さんはイエティそのものを見たことはないものの、足跡は何度か見かけているそうです。足跡を見て周辺の状況を把握、危険を察知することは、遊牧民の大事な仕事のひとつです。
チベット語の、現代でもっとも権威ある辞書「蔵漢大辞典」には、イエティにあたる言葉に、「褐色の熊のこと」と書かれていますが、チベットは広すぎて言葉も通じないので、同じ言葉でも地域によって意味が違うことが多々あります。
僕の想像では、辞書を編纂するラサにはイエティの概念自体がなくて、担当者が理解できた範囲で「恐ろしい動物、でも普通のクマとは少し違う」を整理していった結果、とりあえずクマということにされてしまったんじゃないでしょうか。
遊牧民のお父さんが言うには、イエティはクマとは違う、クマは犬のような顔をしていて、イエティは人間のような顔をしている、とのこと。今日行った動物園には大型類人猿はいませんでしたが、雰囲気としては類人猿系のほうが近そう。
遊牧民から見るとパンダも「白黒のクマ」です。パンダでさえ「ケマ」と思うような文化圏で、種類の異なるクマをわざわざ違う名前で呼ぶはずがありません。
もしもクマと他の動物を混同するくらいだったら、遊牧民は務まらないはずです。
以上のことから僕は「イエティ=ヒグマ説」には、ものすごく懐疑的です。というか、この説はだいたい外国人の登山家かシェルパのような、山で生活していない人を情報源としているので、そんなに信憑性がないはずだと思って、僕自身のイエティ探しのモチベーションを保っています。